東京地方裁判所 昭和43年(借チ)2077号・昭43年(借チ)2081号 決定
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〔決定理由〕(2) 鑑定委員会は、本件土地賃借権の価額については、本件土地の更地価格を3.3平方米につき金一二万円と評価し、借地権価格はその七〇パーセントに相当する金八万四、〇〇〇円(但し私道部分については三五パーセントとする。)であり、借地権の価格の合計は一八九万一、六八〇円であるとする。また建物の価額については、3.3平方米当りの複成価格を金一〇万円、複成現価は一万円と評価して、建物全体の面積26.44平方米(八坪)についての合計価格は金八万円であるとしている。そこで、本件建物および土地賃借権の対価は、右建物および借地権の価格の合計金一九七万一、六八〇円から、通常の譲渡において賃貸人に支払われる所謂名義書換料に相当する金額として、前記借地権の九パーセントに相当する金一七万二五一円を控除した金一八〇万一、四二九円とするのが相当であるとしている。
(3) まず借地権の価額について考える。当裁判所も、鑑定委員会の意見のとおり、本件土地の更地価格を3.3平方米当り金一二万円とするのが相当であると考える。しかし、……本件借地権は相当な対価の授受によつて、有償的に設定されたものではなく、前記借地権価格は賃貸人の意思に係りなしに自然発生的に形成されたものである。また、本件建物は相当の年数を経ているが、保存の状態が良く、まだ可成りの期間住宅としての利用に耐え得るものと考えられるとしても、資料によれば相手方(賃貸人)からこれを譲り受けることを希望している者も、譲受後の改築を予定していることが認められ、本件建物の譲受人は通常は、その規模、構造からいつても、譲受後数年以内には改築を予定する状態にあると考えられ、その際には、本件賃貸借に建物の改築又は増築するときは賃貸人の承諾を受けなければならないとの特約があるので、その承諾料として金銭の支払が問題となることも予想される。
以上のような点から考えると、本件土地賃借権を賃貸人に譲渡する価額は、前記の鑑定委員会の意見にある一般的な借地権価格から相当減額するのが相当であると考えるので、鑑定委員会の意見にある借地権価額金一、八九万一、六八〇円からその一五パーセントを控除した金一六〇万七、九二八円とするのが相当である。
次に、建物の価額については鑑定委員会の意見のとおり、金八万円とするのが相当である。(福嶋登)
(一) 土地
東京都北区赤羽北一丁目一四一番二
宅地 663.86平方米(200.82坪)の内 77.75平方米(23.52坪)但し私道部分6.61平方米(2坪)を含む。
(二) 賃借権 右土地に対する堅固でない建物の所有を目的とする賃借権
(三) 建物
東京都北区赤羽北一丁目一四二番地
家屋番号一四二番二
木造瓦・亜鉛メッキ鋼板葺平家建居宅一棟 床面積 23.96平方米(7.25坪) 現況 26.44平方米(8坪)